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【年の瀬は申告区分にご注意を!】輸入通関手続きのいろは

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「 このままだとクリスマス商材がクリスマスに間に合わない ! なんとか最短で通関を切って欲しい ! 」

年の瀬が近づくにつれ、こうしたお客様からの差し迫るご要望を頂戴する機会が増えていく気がします。

1分1秒を争う物流の現場において、 通関手続きの滞りにより歯がゆい思いをされている方は少なくないかと思います。

私たち物流業者は、 そんな思いを解消すべく、 いかにスムーズに通関手続きを行うか日々創意工夫を重ねて手配にあたる訳ですが 、 では一体 、 通関手続きとはどのようなものなのでしょうか。

今回は日本への輸入貨物における輸入通関手続きについて、 解説させて頂きます。

 

<輸入通関って何をするの?>

輸入通関とは、輸入者が日本に貨物を輸入する際に税関に対して行う一連の手続きを指します。  輸入者は、 輸入したい貨物の詳細を税関申告し、然るべき審査や検査を受け、適正な税金を納めて、税関から輸入を許可されて初めて、貨物を日本国内に引き取ることができます。

通関手続きにはかなり専門的な知識を要する為、 一般的には、 私たちフォワーダーや乙仲と呼ばれる通関業者が、 輸入者に代わって手続きを行うケースが多いです。

以下は通関手続きを簡単に図示したものになりますが、 今回は、 輸入申告 ・ 税関審査 ・ 税関検査 に焦点をあてて、 お話させていただきます。

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※他法令手続き:貨物によっては、食品衛生法、植物防疫法、家畜伝染予防法などの関税関係法令以外の手続が必要となるものがあります。

(引用)税関ホームページより

<申告区分1、2、3って?>

「同じような輸入申告なのに、 一方は早々に通関許可になったかと思えば、 もう一方はなかなか通関許可にならないのはなぜだろう?」と疑問に思われたことはありませんか?

税関への輸入申告は、 基本的に、 NACCS*1というシステムを通じて行われますが、 NACCSが申告内容に応じて、 区分1 ・ 区分2 ・ 区分3 のいずれかに自動で申告を振り分ける仕様となっています。

申告が振り分けられる際の基準は開示されていませんが、 輸出入者の通関実績 ・ 仕出国 ・ 品目(HSコード) などの情報から、 NACCSが総合的に判断をして、 区分が割り出されているものと思われます。

申告区分ごとに後続の処理方法が異なるため、 通関許可になるまでの時間にバラつきが生じてしまうのです。

各区分の詳細な処理方法については、 以下に記載します。

 

区分1(簡易審査扱い)                                           税関審査が省略される区分の為、 申告時に書類提出の必要はなく、 申告後すぐに輸入許可となります。申告の内容上、 税関への提出が必要な書類が含まれる場合は、 通関許可後に書類提出を行います。

 

区分2(書類審査扱い)                                           税関による書類審査が行われます。 書類審査の結果に問題がなければ、 申告後輸入許可となります。 なお、 税関担当者の判断で、 申告内容に不備や不審点などがみられる場合は、 区分3へと切り上げて税関検査を実施するケースもあります。

 

区分3(検査扱い)                                             税関による書類審査に加えて税関検査が行われます。書類審査と税関検査の結果に問題がなければ、 申告後輸入許可となります。 なお、 税関担当者の判断で、 同一申告の過去実績や直近の検査履歴などを加味し、 区分2へと切り下げて税関検査が省略となるケースもあります。

 

 *1 NACCS(輸出入 ・ 港湾情報処理システム):Nippon Automated Cargo And Port Consolidated Systemの略称で、港湾物流に関係する 民間企業と税関などの行政機関を繋ぐプラットフォームシステムのこと。

 

<税関検査は省略できない?>

「引き取りを急ぐ貨物に限って税関検査に該当してしまったけれど、 なんとか検査を省略して欲しい !」               そんな思いを抱かれたご経験がおありではないでしょうか。

残念ながら、 税関検査は輸入者の希望で簡単に省略がかなうものではありません。 なぜなら、 税関検査には大きく分けて2つの目的があるからです。

 

  1. 社会悪物品等の密輸阻止
    社会悪物品とは、 一般に麻薬や拳銃などを指し、 それらは法律上日本に輸入してはならない貨物*2と定められています。そうした物品が日本国内へ流入することのないように水際で取り締まる目的で、 税関検査は実施されています。 検査方法としては、 X線機器を利用したレントゲン検査などが挙げられます。*2 輸入してはならない貨物:関税法第69条の11第一項各号に挙げられた物品のことで、 有名ブランドのコピー商品など知的財産侵害物品もそれらに含まれる。
  2. 申告内容と現物貨物の同一性確認
    申告内容と現物貨物が合致しているどうかを確認する意味合いでも、 税関検査は行われています。 HSコード ・ 申告金額 ・ 原産地表示 ・ 他法令手続きなどの観点から、 輸入申告が現物貨物に沿って適正に行われているかを、 税関職員による目視や、 成分分析などの方法でチェックします。

因みに、オリンピックや国際会議などの大規模なイベントで、 ヒトやモノの動きが活発になる期間は、 税関検査強化月間が設けられ、 該当期間内の検査該当率が一時的に上昇します。 そうした状況も考慮に入れながら、 通関スケジュールをうまくハンドリングする必要があります。

 

では、 逆に、 税関検査該当率を下げるにはどうすればよいのでしょうか。                      結論としては、 適正な通関実績をコツコツと積み重ねていくことが大切だと思います。 実績の少ない輸出入者の申告は、 NACCSで区分3になるよう設定されています。 そこから幾度かの税関審査や税関検査を経て、 正しい通関実績を積み上げていくことで、 次第に申告区分にも反映されていくこととなります。

今回は輸入通関手続きの一部をお話させていただきましたが、 この記事を通して、 少しでも通関手続きに対する具体的なイメージを抱いてもらうことができたなら幸いです。

 

RIS Logistics合同会社では多種多様なご商材における通関実績とノウハウを備えております。

輸入通関手続きでお困りでしたら、是非ご相談ください。

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